学校生活

 まず、昨年のNHK大河ドラマの主人公で、約５００もの会社設立に尽力し、近代日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一の話がありました。渋沢は晩年、企業は公益のためにあるという『合本主義』を唱えました。そして、道徳と利潤を調和させ、商業人が歩むべき道を示した『論語と算盤』を著しました。算盤とは商業（ビジネス）のことです。公益（社会全体の利益）を求める論語（道徳）と企業の利潤を求める算盤（商業）とを結び付けたものです。
 ・士魂商才（しこんしょうさい）・・・武士の清い精神と商人の才覚を兼ね備えること
 ・道徳経済合一・・・商業は社会貢献や世の中の幸せを求め、同時に利益をあげること
 「このような理念で商業（ビジネス）に励みなさい、経済的な裏付けがなければ社会は発展しない。道徳を持って商業（ビジネス）に励むことにより、世の中を幸せにできる」との教えです。このことは、商業教育を学ぶ皆さんにとって最も大切にしてほしいことです。
 人格を形成されるための教えが記されている「論語」の中に「吾（われ）日に吾（わが）身を三省（さんせい）す」とあります。
 一  人のために謀（はか）りて忠ならざるか・・・他人のことを考え、誠心誠意の真心をこめて対応できたか
 二  朋友（ほうゆう）と交わりて信ならざるか・・・人をだましたり、うそを言わなかったか
 三  習（なら）わざるを伝うるか・・・あやふやなことを人に伝えてはいないか
 「１日に何度も自分の言行を振り返って、過失のないようにしなさい」ということです。
 皆さん、たのもしい大人になるため、将来に活かしてください。【校長通信 道標 －みちしるべ－ 第１１号より、一部抜粋】